ロッテの未来をつくるということ -韓国での報道記事より-
2021.02.03

先週、ロッテに関するとても衝撃的な見出しのニュースを目にしました。

韓国の有力紙「朝鮮日報」が報じた「ロッテの悩みが深まっている」と指摘する記事です。

 

「ロッテグループ、5年内にトップ20から外れ、忘れられた企業になりかねない」

 

2021.1.29. 朝鮮日報今年で創業54周年を迎える韓国財界トップ5のロッテグループの悩みが深まっている。業績や株価、デジタル対応、商品·ブランド認知度など三重苦に陥っているからだ。

 

韓国語の原文記事はこちら

 

端的に言うと、この数年、ロッテは未来をつくる経営を行ってこなかったと指摘されています。

 

多くのロッテ社員の皆さんはご存じのとおり、ロッテは創業来、新たな事業に大胆に挑戦して、祖業のチューインガムから総合菓子メーカーに多角化し、さらには日韓を跨ぐ企業グループに発展することができました。その道のりは平坦なものではなく、多くの失敗を重ね、克服してきた結果によるものでした。

 

そこにあったのは、経営者のリーダーシップと役職員たちの献身的な努力です。

創業者重光武雄のリーダーシップは、私も含めた部下の怠慢は決して許さないし、事業の推進に向けて厳しく指導します。しかし、自分が下した決断の結果、その事業や新商品が成功しなかったとしても部下を責めるということはしませんでした。その根底にあるのは、「意思決定の最終責任は自分にある」という創業時からの経営哲学です。

 

そうした経営者としての矜持があるからこそ、部下たちは過去の失敗の責任を問われることなく、むしろ、その失敗を糧として未来に向けて再びチャレンジすることができるというものです。それがロッテの原動力となり、新たな道を切り拓いてきました。

 

ところが、冒頭の記事のように、ロッテの現経営陣がやってきた結果を見てみると、真逆の状況になっています。

 

私が新規事業に失敗したなどという名目で解任されたり、創業者重光武雄が取締役会への招集を受けることなく代表権を解かれた2015年当時から、私は繰り返しロッテの創業精神が蔑ろにされていると、現経営陣のやり方に対して警鐘を鳴らしてきました。

 

日本では、新商品に失敗すれば始末書・顛末書が求められ、韓国では、業績に最も責任を持たなければならない経営トップが責任を取らず、自分を長年支えてきたナンバー2や事業会社の責任者が業績不振を理由に実質解任されています。これはロッテの創業精神とは程遠いやり方です。

両国の多くのロッテ役職員の方々もこのような問題点に心当たりがあるのではないでしょうか。

 

非常に残念ではありますが、冒頭の記事が指摘するように、現経営陣による経営結果は転落の度合いが深まっています。ロッテの経営を正常化する道のりは遠いかもしれませんが、決して諦めてはならないと改めて痛感しています。