引き続き業績不振が続いている中で、2023年の上半期も経営トップの報酬だけ韓国財閥の中で最も多く支払っていることが明らかにされています。非常に情けなく思う見出しがついています。
■「会長の給料は聞かないでください」
2023年10月9日 京郷新聞
https://www.khan.co.kr/economy/economy-general/article/202310091122001
- 今年上半期(1~6月)、韓国の主要企業グループのトップのうち、最も多くの報酬を受け取ったのは、韓国財閥6位のロッテグループ辛東彬(日本名:重光昭夫)会長だったことが分かった。
- 各社が公表した半期報告書などによると、辛氏は今年上半期に持株会社に加え、系列6社(ロッテケミカル、ロッテショッピング、ロッテ七星飲料、ホテルロッテ、ロッテウェルフード、ロッテ物産等)から112億5400万ウォン(約12億2000万円)を受け取った。韓国財界トップの中で唯一、100億ウォンを超えた。
- 主要各国では企業の役員報酬に関する開示がなされているが、韓国企業のトップの報酬体系の詳細は、一般には明らかになっていない。
- 例えば、米国では、個々の役員の成果目標、実際の達成状況や役員報酬額と財務指標との関連性等を提示できなければ米国証券取引委員会(SEC)の審査を受けるという。実際、IT大手のアップル社CEOは株価が約2割下落したことを受け、今年のCEO報酬を半減させることを発表した。
- しかし、ロッテ持株はロッテケミカルの収益性ダウンや有償増資など資金支出が続いたことから格付けを1段階引き下げられたにもかかわらず、辛東彬氏は昨年、経営成果報酬という名目で26億1700万ウォンの賞与を受け取っている。
- また、辛東彬氏は、過去に国民年金をはじめ主要な機関投資家らは過多兼職などが指摘され、社内理事(※1)再任に反対されていた。
- 辛東彬氏の社内理事の再任反対については、過去3年のロッテ持株の理事会(※2)の出席率が他の理事が100%近かったのに対して平均5%、ロッテケミカル理事会の出席率も過去3年平均64%だったことが影響していると考えられる。
- 専門家は、この状況について、役員報酬に関して株主総会で議論する「Say on pay制度」を導入し、財閥トップの報酬体系に関する正確な情報を株主に提供するべきだと指摘している。
ロッテグループ辛東彬会長、今年上半期の報酬内訳
ロッテ持株 45億3300万ウォン
ロッテケミカル 19億1500万ウォン
ロッテショッピング 11億500万ウォン
ロッテ七星飲料 10億7000万ウォン
ホテルロッテ 10億6100万ウォン
ロッテウェルフード 10億2500万ウォン
ロッテ物産 5億4500万ウォン
合計 112億5400万ウォン
※1:日本における取締役に相当
※2:日本における取締役会に相当