ロッテがネスレとの合弁会社の清算手続きに入り、韓国インスタントコーヒー市場から事実上の撤退することが報じられています。
2014年の開始当初「グローバル食品恐竜」と「国内流通強者」による合弁事業ということで市場の注目を集めましたが、約11年で幕引きとなりました。
「流通」に強みを持つロッテでしたが、先日、韓国消費者院などが調査したデパートの顧客満足度でも最下位になり、重光昭夫が特に力を入れていたロッテオンは赤字続きで希望退職や社屋移転に迫られ、ロッテケミカルも赤字が続き、極めて厳しい状況に置かれています。
今年7月17日に実施した韓国ロッテグループ各社のトップを集めた社内会議「2025年下半期Value Creation Meeting(VCM)」で、グループトップである重光昭夫は以下のように発言したと報道されています。
「企業経営において致命的な誤りは問題があることを知りながらも無視したり、問題を認知できないこと」
「CEOは5年、10年後の経営環境変化を予測し、現在と3年後にしなければならないことを計画しなければならない」
ロッテのシン·ドンビン会長が「2025年下半期V...ロッテのシン·ドンビン会長が「2025年下半期VCM(Value Creation Meeting)...https://www.mk.co.kr/jp/business/11370408
この重光昭夫自身の発言は、そのまま自分に返ってくる言葉だと思います。
グループ各社の経営者をただ変えるだけでは、「経営」とは言えません。経営環境を予測できずに苦境に陥っている現状では、自らが退くことが苦境を乗り切る最も有効な解決策に思えてなりません。
■マキシムの壁越えられない「涙の損切り」···ロッテネスレ、500億ウォンの投資金の90%を失った
2025/9/22 アジア経済
https://view.asiae.co.kr/article/2025091815000978628
- ロッテとネスレの合弁「ロッテネスレコリア」が清算手続きに入り、韓国インスタントコーヒー市場の壁を越えられず11年で事実上撤退。
- スイス本社とのブランド・技術使用契約で前払いした408億ウォンのうち257億ウォンが回収不能となり、清算損失として処理。
- 市場では東西食品の寡占が強固で、コーヒーミックスのシェアは東西食品90.8%、南陽乳業5.6%、ロッテネスレ1.5%にとどまり、売上も2014年2844億ウォンから昨年2569億ウォンへ減少、累積赤字を解消できず。