ロッテのリストラ報道に思うこと②
2021.03.11

前回のブログでも取り上げましたが、現在の韓国ロッテグループでは、本当に残念なことに、社員に対する大規模なリストラが行われています。

 

ロッテの本来の経営哲学からすると、経営の失敗の責任を社員に押し付けるようなやり方はあってはならないことだと、心からそう思います。

 

ロッテ創業者の重光武雄が生前に語っていた内容は、本会のウェブサイトでもたびたび動画としてご紹介してきました。ロッテを取り巻く現在の状況の中で、それらをいま見返して見ると、創業者が持っていた社員に対する思い、経営者としての矜持というものを改めて強く感じます。

 

【動画12】ロッテ創業者 重光武雄インタビュー① 社員に向けたメッセージ

 

 

「(社員は)大事なファミリー、家族なんじゃないか。だから、うちの社員は一人もクビにしたことがないね。みんな16万人家族だね。」

 

「僕は社員を大事にしていると思うんですね。社員のことを信用してるし、社員に悪いことをやるのも絶対ゆるさないし。そういうことはないですがね、あったとしても、そういうことやっては絶対いけないと思いますね。」

 

「だから、会社というのはやっぱり、会社をちゃんとしておって、利益を出して、社員にそれ相当の報酬を与えて、生活できるようにしないと。安心するように。それが、会社がつぶれて失業者になったりするのはないようにしないといけない。」

これは、現在の状況とは異なりロッテの経営状態が好調だった2016年当時の発言です。

経営が好調な時でさえ、経営が傾くことによって社員に迷惑をかけてはいけないということをしきりに語っていました。

 

繰り返しになりますが、経営の責任は経営者が取るべきであり、従業員に押し付けるようなことは許されません。

創業者重光武雄がいまのロッテの状況を見れば何を思うか、言葉がありません。